当たる占いとは?
当たる占いをリサーチする
「当たる占い」というキーワードをGoogleで検索すると、ヒットする件数は1,600万件もあります。また、「占い 当たる 理由」の検索結果は278万件、「当たる占い 理由」で検索した結果は200万件でした。そして、これらの検索結果には、面白い傾向が見られるのです。
「当たる占い」でヒットした上位サイトでは、「当たる」や「当てます」といった言葉ばかり。ですが、なぜ当たるのかを明確に説明した記事は見当たらない。当たる理由が示されない、根拠の不明確なフレーズのオンパレードなんですね。
もう一方の、「占い 当たる 理由」と「当たる占い 理由」でヒットした上位サイトで目に付くのは、当たるということに対する否定的な意見、あるいは当たると思い込ませる手口に関する話題が多いみたいです。当たる占いなんて、どこにも無いって感じですね。
ひと言で占いといっても、スタイルはさまざま
マスメディアから発信される占い
占いのスタイルについて考えると、身近なところでは朝のテレビやラジオの「今日の運勢」とか、雑誌の「今週の運勢」とか「今月の占い」があります。生まれた月の星座、もしくは生まれ年の十二支や九星別に、金運・恋愛運・仕事運などの項目を分けて占ったものです。
この場合、各項目の占い結果は、九星だと9種類で12星座・十二支なら12種類です。当たりさわりのない結果なら、何回かに1回は当たるものです。そして、毎朝の占いや毎週・毎月の占いは多くあって、その中で当たっていると思えたものが当たるとされるんですね。
新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどのマスメディアから発信される占いは多く、関心がある方は複数の占いをチェックするようです。より多くチェックすれば、当たる占いに出逢うこともあります。宝くじだって、10枚に1枚は当たるんです。末等を当たりと思う人は少ないですが。
ただ、マスコミの影響からか、宝くじのような「当てもの」と占いを同様に考える風潮があります。事実、「占いなんて当たらない」と言いながら、占い師に観てもらったことがない男性は多い。そう言いながら、勝てる確立の低いギャンブルには熱中するんですね。
実際のところ、マスメディアから発信される占いだってギャンブルだって、回数さえ増やせば当たることも勝つこともあるんです。このように、マスメディアから発信されるタイプの占いは、ギャンブルと同じ「当てもの」的なレベルの存在なのです。
占い師による占い
マスメディアから発信される占いは、不特定多数の人を対称にして、9種類から12種類程度の結果を出すものです。これに対して、占い師は個人を対象にして出生日時や姓名や手相・人相や風水などによって占います。生まれ年や生まれ月だけで占うよりも詳しく占えるはずです。
多くの占い師は言うでしょう、「不特定多数ではなく、特定の人を対象とした占いだからレベルが違うんです」と。ですが、占い師に観てもらった女性の多くは知っています、当たる占い師は少ないということを。当たる占い師なんていない、と言う人だっているかもしれません。
霊感を看板にしているのは別として、フツーの占い師は占術を用いて占います。その占術には、出生日時や手相や人相から占うもの、あるいはタロットなどのカードや易やルーンなどの道具を使って占うものなどがあります。このように、主な占術の種類は限られているのです。
ところが、同じ占術で占っても同じ結果や答えが出るとは限らないのが現実です。その理由は、占い師が扱う占術の種類は限られていても、個々の占術で理論[セオリー:theory]や方法[メソッド:method]が異なるからです。
占いに使われる占術は3つのジャンルに分類されますが……
コールド・リーディング(cold reading)やホット・リーディング(hot reading)などの話術を利用したニセ占いは別として、占いで使われる占術は命(めい)・卜(ぼく)・相(そう)の3種類に分類されます。これに医(い)・山(さん)を加えて五術とも呼ばれます。
医・山を含めた五術については改めて見解を述べるとして、ここでは命・卜・相に分かれる占術が話題です。命術は出生日時と出生地などに基づいて占うもので、占星術や四柱推命が属します。卜術には易やタロットやルーンなどが属し、偶然性の中に意味を見出す占術です。
3つ目の相術には手相や人相や風水などが属し、形状や変化の状態から判断します。このように、占いに使われる占術は3つのジャンルに分類されます。ですが、それぞれの占術には多くの流派があり、同じ占術でありながら理論や方法が異なっているという厄介な現状なのです。
おまけに、それぞれの流派が理論や方法の正当性を主張し、個々の主張に都合のいい占い結果を示していることなのです。さらに厄介なのが、同じことを占っても、その結果が命と卜と相で食い違う、つまり命・卜・相の占い結果に整合性や関連性が無いということです。
占った結果が食い違うということ
同じ占術で占った結果が食い違うということを、身体の不調に例えてみましょう。咳が止まらない場合、A内科では風邪と診断され治療を受けたが治らず、B内科で喉の炎症と言われたが改善しない。次に行ったC内科では肺炎と診断されたが、これも治らない。
もう一つ、占った結果が命と卜と相で食い違うケースの例。目まいを内科では貧血と診断されたが改善せず、眼科に回されて肩こりが原因と言われたが直らず、次に回された脳外科では原因が不明と言われる。これが現実なら混乱するばかりです。
医療の現場で見立てが違うのは稀なケースですが、占い師によって見立てが違うのは日常的なことです。占った結果に食い違いがあると大変だから、命・卜・相をフルに駆使して複合的に占うなんてこともしない。そんな占い師が圧倒的に多いのが現実です。
占いは統計学なの?
「占いは統計学です」という占い師も圧倒的に多いですね。「全肺癌の80~90%は喫煙が直接の原因」みたいに、結果が100%わかっていることには統計学なんて使いませんから。つまり、80~90%に入らない10~20%の例外があるから、「統計学」って言えるんですね。
占った結果と現実が違っていても、「占いは統計学ですから例外もあります」って言えます。「統計学」と聞かされたほうは素直に信じてしまうし、「統計学ですから例外もあります」ってが曖昧にもできます。「占いは統計学です」という言葉は「占い師」にとって重宝です。
ところで、「占いは統計学です」と言いながら、占い結果の傾向を統計学的な数値で出している占い師には、残念ながら会ったことが無いのです。「虎の巻だから見せられない」という占い師がいるかもしれませんが、少しだけでも見せて貰えたら尊敬するかもしれません。
「占いは統計学」の実態は経験則
どんな仕事でも、長くやっていれば経験則というものが自然と身に付きます。占い師も同じで、占いを続けていれば経験則が蓄えられます。これに「占いは統計学です」というフレーズと巧みな話術がプラスできれば、当たると言われる「占い師」の完成です。
でも、経験則や話術はテクニックであり、正統な理論とは異なるものです。経験則も命・卜・相に整合性のあるものを手にできれば、結果的に正統な理論と方法を得たことと同じになるでしょう。ですが、それは2階から目薬を注すより難しいんじゃないかと思います。
経験則は大切ですが、それも正統な理論と方法に裏打ちされたもの、そして命と卜と相で占った結果に整合性と関連性を持つ占いでなければ意味がありません。その点についての話題は、改めてアップします。